みなさま、こんにちは!
今はチェロの弦がどんどん開発されていて、たくさんの種類が出ていますね!
初心者の方の中には、どれを張ったらいいのかわからないという方もいらっしゃると思います。
弦には、自分の楽器に合う弦と合わない弦があり、例えば好きなチェリストが勧めているからといって自分の楽器に合うかは実際に張ってみないとわからないものです。
さらに、なかなかに値が張るのでたくさんは試すことは難しいです。
この記事では、いわゆるチェロ弦の「定番の組み合わせ」と言われている
- A,D線ヤーガー + G,C線スピロコア
- A,D線ラーセン + G,C線スピロコア
この2種類についてご紹介していきます。
もし迷ったらまずはこのどちらかを試して見るのがおすすめ!
あくまで個人の感想になります。先の述べたように、その弦が合うかどうかは自分の楽器に張ってみないとわからないことを予めご了承ください。
弦の種類
弦は、芯線の周りに別の素材が巻かれて作られています。
この芯線の素材により、スチール弦、ガット弦、ナイロン弦に分けられます。
芯線と外側の素材や構造を変えることで、音色、発音など性能が異なる弦を生み出すことができます。
古来は、弦は羊の腸を撚って作っていました!
スチール弦
芯線の素材がスチール。音量があり、少し金属的なところもあるけど、音が安定しています。比較的安価。初心者の方にもおすすめ。チェロでは一般的で、よく使われます。
ガット弦
芯線が羊の腸の筋。音は柔らかいが、調弦が狂いやすい。安定した音を出すには右手のボウイング技術がかなり必要です。
ナイロン弦
芯線の原料はさまざまな合成化学繊維。特徴としてはスチールとガットの間と言われています。
ヤーガー
デンマークのチェロ奏者によって作られた弦のメーカーで、スチール弦でも一般的に柔らかい音が持ち味と言われています。
\ヤーガーA,D線のセット!/
現在、ヤーガーの中で以下の4種類が出ています。
- CLASSIC (クラシック)
- SPECIAL (スペシャル)
- SUPERIOR (スペリオール)
- EVOKE (イヴォーク)
(公式ページにはSILVERの記述もありますが、私はみたことないので割愛します)
その中でテンションによってさらにFORTE、MEDIUM、DOLCEの3種類があります。
(音や発音の情報は公式ホームページより)
CLASSIC
スチール/クロムスチール巻(芯線/巻線)
昔からある最もスタンダードなタイプ。
音は柔らかく、発音はダイレクト。
初心者〜上級者まで使える。
- FORTE
- MEDIUM
- DOLCE
SPECIAL
発音が速く、ミディアムよりブリリアントな音色。
上級者〜プロ向け
- FORTE
- MEDIUM
SUPERIOR
発音が速く、温かみもありながら力強い音色。
プロ向け
- FORTE
- MEDIUM
- DOLCE
EVOKE (New !!!)
ここからは私個人の感想です
私は超ヤーガー愛好家です!笑
他の弦を試しても必ずヤーガーに戻してしまうほどヤーガーの音が好きです。
EVOKEは新弦なので試したことありませんが、他の3種は全て試しました。
今はCLASSICのMEDIUMを使っています。
テンションが強すぎず、温かい音色、調弦も安定していて、抑え心地も気に入っています。
ただ、やはり楽器と人によります。(今日は主観的な記事で申し訳ありません。)
A,D線ヤーガー、G,C線スピロコアのセットです!↓(私も今この組み合わせを使っています!)
ラーセン
ラーセンは元ヴァイオリニストが創立したデンマークの弦のメーカーで、華やかな音が魅力的と言われています。
\ラーセンA,D線のセット/
ラーセンは現在、以下の5種類が出ています。
- Larsen (ラーセン)
- Larsen Soloist(ラーセン ソリスト)
- Larsen Magnacore (ラーセン マグナコア)
- Larsen Il Cannone (ラーセン イル カノーネ)
- Larsen Aurora (ラーセン オーロラ)
各弦さらにテンションなどにより何種類かに分かれています。
Larsen (ラーセン)
昔からあるスタンダードなタイプ
A,D スチール/クロムスチール巻
G,C スチール/タングステン巻
- Soft
- Medium
- Strong
Larsen Soloist(ラーセン ソリスト)
A,D スチール/クロムスチール巻
G スチール/タングステン巻
- Medium
Larsen Magnacore (ラーセン マグナコア)
ソリッドスチール/ワイヤースチール巻
- Medium
- Arioso
Larsen Il Cannone (ラーセン イル カノーネ)
2020年発売
高級モデル
A,D スチール/ステンレス巻
G,C ロープコア/タングステン巻
- Warm&Broad
- Direct&Focused
Larsen Aurora (ラーセン オーロラ)
「クラウン」のアップデート版
比較的低価格。エントリーモデル
A,D ソリッドスチール/耐腐食性合金巻
G ソリッドスチール/ニッケル巻
C ソリッドスチール/タングステン巻
- Medium
まずは、Larsenがおすすめ!
それで足りないところがあれば、好みで他の種類を試そう!
値段は
Larsen < Soloist < Magnacore < Il Cannone
の順に高くなっています。
上位モデルはよりハイパフォーマンスを求める方向け。
「オーロラ」は、Larsen社によって「クラウン」という弦がアップデートされたもので、比較的安価でラーセンの良さが味わえるエントリーモデルです。
私は以前、一番オーソドックスなラーセンを張っていました。
個人の感想ですが、ラーセンの方がヤーガーより音がたちソリスティックな感じがします。
抑え心地もわずかに細く感じました。華やかな音を求めている方にはラーセンがおすすめです。
(私の楽器ではヤーガーを張るとD線が篭りがちなのが、ラーセンではそういうことがなかったです!楽器と弦の相性を十分に探ることの重要性を感じました。)
\ラーセンA,D線、スピロコアG,C線(ミディアム)のセットです!/
スピロコア
ヤーガーまたはラーセンに組み合わせる弦として最もよく使われる弦です。ウィーンのトマスティーク・インフェルト社製。
\スピロコアG,C線(ミディアム)のセット/
芯弦にスパイラル(螺旋状)のスチールコアを用い、弾力を出しています。
外側の巻線の種類により、クロムスチール、シルバー、タングステンの3種類があります。
クロムスチール
スパイラルコア/クロムスチール巻
1番ノーマルで低価格。
他の2種に比べ太いが、低弦らしい厚みのある音。
シルバー
スパイラルコア/シルバー巻
シルバーを巻くことで抑えやすくなっている。
タングステン
スパイラルスチールコア/タングステン巻
タングステンを使用することで弦を細くすることが可能。
抑えやすく発音しやすい。
3種の中では1番高額。
G,C線はスピロコアがおすすめです!
私は今はクロムスチール巻を使っています。
G,C線が太くて抑えるのが大変な方には(かなりの高額ではありますが)「タングステン」がおすすめです。
画期的な細さです!
クロムスチールに比べ、音も少ししまっている印象です。(個人の感想ですが)
\スピロコア(タングステン)G,C線のセット/
弦のあれこれ
どれくらいで張り替えたらいいの?
基本的に張りたて〜1週間くらいで安定した頃が一番いい音だと思います。それ以降は劣化します。
よく弾く人は3ヶ月くらいで変えることもありますが、その頻度で変えるのはかなり大変なことです。
アマチュアの方は半年〜1年に1回程度、例えば発表会などの大切な本番の前に変えるのを私はおすすめしています。
大切な本番の前と言っても前日は危険ですよ!ゆとりを持って張り替えましょう。
長く張っていると劣化し音が飛ばなくなり、力む原因にもなるので、できれば定期的に交換した方が良いです。(かなりここ数年で値段が上がり、正直厳しいですが・・・)
弦は1本ずつ交換しよう!
時々、4本全ての弦を取ってしまってから張り替えた方が良いと思っている方がいらっしゃいますが、
4本全ての弦を取ってしまうと、駒も魂柱も倒れてしまいます!!(→楽器屋さんじゃないと直せなくなります)
これは絶対にしないでください💦
弦は必ず1本ずつ張り替えよう!
弦高は季節で変わる
弦楽器の板は生の木の板なので、湿度、温度などに敏感です。
夏場は指板が下がり、弦高(指板と弦の間の距離)が上がります。なので、左手で抑えるのが大変に感じる人もいるでしょう。
また、冬場は指板は上がり、弦高は下がります。指板と弦がくっつきすぎてペタペタになってしまうこともあります。
たまにものすごく弦高が上がってしまっている方や下がりすぎてしまっている方がいます。大きく演奏に影響があるようなら楽器屋さんに相談しましょう。
まとめ
初めての方は、まずはA,D線はヤーガーかラーセンのミディアム、C,D線はスピロコアのミディアムを張ってみて、物足りないところがあれば他の種類を試してみてはいかがでしょうか。
あとは練習あるのみ!!
交換後の弦は捨てないで取っておきましょう!切れた時に昔の弦を張ったりします。
※この記事の弦レビューは個人の感想です