みなさま、こんにちは!
この記事では、数あるチェロの名曲の中から、私がおすすめする「チェロ協奏曲」を8つご紹介します!
「チェロ協奏曲」とは、独奏チェロとオーケストラのための曲です。
「チェロ協奏曲」は、ピアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲のようにたくさんはありません。
さらに、コンサートで演奏される機会もピアノやヴァイオリンに比べたら少ないです。
でも、現代の私たちにはYouTubeがある!それぞれの協奏曲にYouTubeを貼っているので、聴いてみてください。
そして、お気に入りの曲ができたら、機会を見つけてコンサートに足を運んで、ぜひ生演奏を聴いてくださいね!
それでは、まずは4つの協奏曲をご紹介します!
ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調
略して「ドボコン」と言われている、チェロ協奏曲の中でも本当に有名で人気の曲です!
全部で45分くらいある大曲ですが、ドヴォルジャークならではの美しいメロディと、チェロがここまでできるのかという超絶技巧、そして交響曲のようなスケールの大きいオーケストラが味わえる本当にかっこいい曲です。
この曲は、ドヴォルジャークがニューヨークのナショナル音楽院の院長として、アメリカに滞在している時に作られました。
アメリカに来たものの、ドヴォルジャークの祖国チェコへの想いは増すばかり。
そんな頃、昔思いを寄せた女性、ヨゼフィーナが重病との知らせが入ります。
ドヴォルジャークは、
彼女が気に入ってくれた私の歌曲をこの協奏曲に入れよう。
と思い立ち、自身の歌曲『私にかまわないで』をこの協奏曲に引用しました。
完成した協奏曲を聴いたブラームスは、その素晴らしさに、
と、絶賛したそうです。(ブラームスはチェロ協奏曲を書いていません泣)
テクニック的にも、おそらく音楽的表現にも限界があると思われていたチェロのイメージを覆す曲だったということでしょう。
チェロの可能性を広げた1曲といえますね!
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調
この曲はデュ・プレの記事でもご紹介しましたね!
エルガー(1857-1934)はイギリスの作曲家です。「威風堂々」で有名な作曲家ですね!
エルガーは、婚約の際に、かの有名な「愛の挨拶」を作曲し、妻のアリスにプレゼントするなど、愛妻家としても有名です。
アリスも、家族に結婚を反対されましたが、生涯エルガーを信頼し支え続けました。
エルガーがこのチェロ協奏曲を書いたのは1919年、62歳の時です。
この頃のエルガーは自身の体調不良、第一次世界大戦による精神的なダメージ、そして翌年最愛の妻アリスが死去します。
そんな不安なエルガー自身の内面を投影するように、この曲は全体的に重く暗い雰囲気が漂います。
アリスの死後、エルガーの創作意欲はみるみる衰えてしまいました。
チェロでなくてはこの世界観を描けないのではないかというくらい、チェロと憂いを帯びた旋律があっているのです。
私はこの協奏曲が一番と言っていいくらい好きです。
そして、ぜひ、ジャークリーヌ・デュ・プレの演奏する「エルガーのチェロ協奏曲」も聴いてみてくださいね!!(激推し!)
ハイドン:チェロ協奏曲 第2番 ニ長調
ハイドンは2つのチェロ協奏曲を書いていますが、長いことこの第2番のみが知られており、第1番は後になって発見されました。
この曲はハイドンがエステルハージ侯に仕えていた1783年に作曲されており、エステルハージ侯の楽団で活躍していたチェロ奏者、アントン・クラフトのために書かれたと考えられています。
どの時代も、身近に名手がいると名曲が生まれるものです!
それにしても、このチェロ協奏曲は通称「ハイドンD(デー)」と呼ばれますが、本当にハイポジションの連続で歌われます。
この時代にこれだけの技巧を持った方がいたというのに、私は驚きますが・・
そして、現代ではなんと言ってもこの曲はチェロのオーケストラの入団試験で必ずと言っていいほど出題される曲なのです!(なので、みんなとても練習している)
ハイドン51歳の円熟期の名作です。この岡本侑也さんの演奏がとっても素晴らしいのでぜひお聴きください。
ハイドン:チェロ協奏曲 第1番 ハ長調
先ほど書いた通り、このハイドンの第1番の協奏曲は、約200年もの間人々から忘れられていた歴史があります。
ハイドンがこの曲を作曲したのが1762~1765年。
勤めていたエステルハージ家の楽団のチェロ奏者、ヨーゼフ・ヴァイグルのために書かれたと考えられています。
ハイドンの時代は音楽家は貴族に雇われており、侯爵のリクエストで曲を作ったり、そこのオーケストラを指導していたりしていました。
おかげで安定した収入を得ながら作曲をすることができていたんだ。
その後、どういう経緯か、この曲は忘れ去られてしまい、先ほどご紹介した「チェロ協奏曲第2番」のみが、ハイドンの協奏曲だと思われていました。
しかし、1961年チェコの音楽学者がパート譜を発見し、慎重に考証を行った結果、ハイドンの作品と断定されました。
この曲が発見されてからまだ60年ちょっと!
発見の翌年、ミロシュ・サードロのチェロとチェコ・スロバキア放送交響楽団で見事復活演奏されました!
明朗な旋律が清々しく、第3楽章の超絶技巧も必見!(やはりエステルハージ楽団のレベルの高さを感じる・・・)
コロナ禍のディタンスを感じる映像です⬇️
まとめ
チェロとオーケストラの共演、かっこいいですよね!
同じ曲でも演奏家によってまた違う表情を見せてくれるものです。
ぜひ色々なチェリストの演奏を聴いてみてくださいね!
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