みなさま、こんにちは!
今日は私の大好きなチェリストをご紹介します。
イギリスの女性チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレです。
チェロ好きの方はすでによくご存知と思います。
初めて聞いたよという方は、ぜひこの記事を読んだ後、演奏を聴いてみて下さいね!
不世出の天才、ジャッキー
「ジャッキー」は彼女の愛称です。
彼女は1945年イギリスで生まれ、4歳からチェロを始め、10歳から名教師ウィリアム・プリースに学びました。
彼女はプリースのことを「マイ・チェロ・ダディ(私のチェロのお父さん)」と呼び心から慕い、プリースも生涯彼女の支えとなりました。
デュ・プレのドキュメンタリー映像「ジャクリーヌ・デュ・プレの想い出」の中で、プリースはいかに彼女が子供の頃から天才的であったかを話しています。
デュ・プレとプリースが弾くオッフェンバックのデュオでは、先生とのデュオが楽しくてたまらない天真爛漫なデュ・プレと、それをあたたかく受け止めるプリースの微笑ましい演奏を見ることができます。
順調に才能を伸ばしていった彼女は、16歳の時にロンドンのウィグモア・ホールでデビューします。
代名詞「エルガーのチェロ協奏曲」
その後、ポール・トルトゥリエ、パブロ・カザルス、ロストロポーヴィチら、名だたるチェリストの指導を受けたデュ・プレ。
1965年20歳の頃から、本格的に演奏・録音活動を開始します。
特に1965年に録音した、ジョン・バルビローリ指揮、「エルガーのチェロ協奏曲」は、超・超名演でデュ・プレの代名詞となります!
私も何度聞いたかわからないです😭第1楽章の第2主題で必ず鳥肌が立ちます。あんなエルガーは他にありません!特にこの協奏曲はエルガー晩年の作品で、若干20歳のデュ・プレには作品を本質的に理解するのが難しくてもおかしくないのに、そんなことは全く関係ない成熟し切った演奏なのです‥!
1967年にピアニストであり指揮者でもあるダニエル・バレンボイムと結婚します。
心身の不調を覚え、20代で第一線を退く
精力的に演奏活動を行なっていたデュ・プレ。
しかし、旅続き、本番続きで次第に心身のバランスを崩していきます。
この頃の様子は映画「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」でも語られます。
(この映画はファンにとってちょっとショッキングなものでもあります)
1971年のはじめごろから心身に不調を覚え、演奏会を1シーズンキャンセルします。
その後復調し、1973年日本での演奏会も予定されていましたが、報道では「右手首の腱鞘炎のため」演奏会は全てキャンセルされました。
楽しみにしていた日本のファンはさぞがっかりされたでしょう。
その後、1973年の秋にはデュ・プレの病名は「多発性硬化症」と発表されました。
彼女は演奏活動を休止し長い闘病生活に入りましたが、ステージに戻ることなく1987年10月19日、わずか42歳で息を引き取りました。
彼女がステージで活躍できたのは10年ほどでしたが、たくさんの素晴らしい演奏が今も残っています。そのすべてが今も全く色褪せません。それどころか、彼女の演奏から発せられる莫大な生きるエネルギーが、今の時代の中でより輝きを増しているようにさえ感じます。
おすすめ録音3つ
エルガー:チェロ協奏曲
先ほども書きましたが彼女の代名詞!デュ・プレの情熱の裏に秘めた悲哀の表現も見どころ。
ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲
45分もの大曲をあのパワーとエネルギーで弾ききる圧巻の演奏!
シューマン:チェロ協奏曲
難曲シューマンのチェロ協奏曲を、情緒たっぷりに歌い上げる必聴の演奏。
他の協奏曲、ソナタ、小品集など、どれもおすすめです!私が思うデュ・プレの一番の魅力は、やはり溢れ出る情熱ではないかと思います。もちろん卓越したテクニックがあってこそですが、こんなに内面を見せてくれているからこそ、私たちはデュ・プレに惹かれるのかもしれません。本当に魅力的なチェリストです!ぜひ聞いてみてくださいね🎵